辞書やAIに頼らない!「自力で伝える英語力」の育て方

自力で伝える英語力の育て方
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英検の英作文は「知らない単語」を知っている英語に言い換える

「雪合戦って英語で何て言うんですか?」
先日、英検3級の英作文に取り組んでいると、4年生からこんな質問が出てきました。

「どの季節が好きですか?」という質問に、
「冬が好きです。雪合戦ができるからです。」と書きたかったようです。

そこで、「雪合戦って英語で何て言うの?」となって、質問してくれたわけです。
もちろん、「雪合戦」という英語を調べて覚えることも勉強です。

でも、その前に一度考えてほしいことがあります。

本当に「雪合戦」という英語を知らなければ、自分の考えは伝えられないのでしょうか?

「雪合戦」をもっと簡単にして、「雪で遊ぶ」ならどうでしょう。
そうすると、

I like winter because I can play in the snow.

と、すでに知っている英語で書くことができます。

「雪合戦」と「雪で遊ぶ」は、もちろんまったく同じ意味ではありません。
でも、それでいいのです。

そして、もう一歩考えてみることもできます。

もし「雪合戦」という意味をもう少し正確に伝えたいのであれば、「雪合戦って、何をすること?」と考えてみます。「雪のボールを作って、お互いに投げ合うこと」と考えれば、

We can make snowballs and throw them at each other.

と表現することもできます。

つまり、snowball fight という「雪合戦」にあたる英語を知らなくても、雪合戦そのものを自分の知っている英語で説明することはできるのです。

知らない単語に出会ったとき、「英語で何て言うんだろう?」とすぐに答えを探すのではなく、

  • 「それって、具体的にはどういうこと?」
  • 「自分の知っている英語を使ったら、どう説明できる?」

と考えてみる。
これも、英作文でとても大切な力です。

英作文は、頭に浮かんだ日本語を一字一句そのまま英語に訳すことが目的ではありません
自分が伝えたいことを、自分が持っている英語でどう表現するか
ここがとても大切です。

英作文のコツは「冷蔵庫にあるもので料理を作る」こと

私は、英作文は料理に似ていると思っています。
「今日はこれを作ろう」と最初に料理を決めて、そのために必要な材料をすべてスーパーへ買いに行く。
これは、
先に日本語で言いたい文章を完成させて、それに必要な英語を一つずつ探していくのとよく似ています。

でも、英作文ではむしろ、まず冷蔵庫を開けて、今ある材料を見てみる。

卵がある。
野菜がある。
お肉が少し残っている。

そこで、「今あるもので、何が作れるかな?」と考える。

炒めてもいい。
スープにしてもいい。
卵と野菜を組み合わせてもいい。

最初から作るものを一つに決めるのではなく、今ある材料から作れるものを考えるのです。

英語も同じです。

自分の中に、

winter
snow
play
fun

という英語がある。だったら、「この英語を使って、何が言える?」と考えます。

I like winter.
I can play in the snow.
It is fun.

これで十分、自分の考えを伝えることができます。

「雪合戦」という材料を持っていないからといって、そこで英作文を諦めないでください。
今、自分が持っている材料で何が作れるかを考える。
英作文も同じです。

そして料理と同じように、同じ材料でも、組み合わせ方によって作れるものは一つではありません。

英語も、

play in the snow
play with my friends
play after school

と、知っている言葉を別の言葉と組み合わせることで、表現できることが広がっていきます。

一度覚えた英文を、そのまま一つの形で使うだけではなく、知っている英語を組み替えて使う。
これも、とても大切な英語力です。

「仲良し家族」は英語で何て言う?具体的に考える言い換えのコツ

もう一つ、小中学生にも身近な例で考えてみます。
「うちは仲良し家族です。」と書きたい。
すると、「『仲良し家族』って英語で何て言うの?」と考えたくなります。

もちろん、英語にも a close family など、家族の仲が良いことを表す表現はあります。

でも、それをまだ知らないからといって、書けないわけではありません。

「仲良し家族って、具体的にはどんな家族?」と考えてみます。

☑️「よく家族で一緒にご飯を食べる」なら、We often eat dinner together.と書けます。

☑️「家族でよく話をする」なら、We often talk together.と表現できます。

☑️「よく一緒に出かける」なら、We often go out together.でもいいでしょう。

☑️「お互いに助け合う」なら、We help each other.と書くこともできます。

つまり、「仲良し家族」という日本語に対応する英語を探したのではありません。
「仲良し家族って、具体的にどんな家族だろう?」と考えて、その中身を、自分がすでに持っている英語で表現したのです。

「雪合戦って何?」と考えて、「雪のボールを作って、お互いに投げ合うこと」と具体的にしたのと同じです。

知らない日本語に対応する英単語を探すのではなく、その言葉が表していることを具体的にしてみる。
そうすると、自分の知っている英語で表現できることが見つかります。

日本語には、このほかにも、

「懐かしい」
「木漏れ日」
「夕立」

など、その言葉が表している情景や感覚まで含んだ表現がたくさんあります。

こうした日本語を英語で表現するときにも、「この日本語は英語で何て言うの?」と、ぴったり対応する英語を探すことだけを考えるのではなく、
「この言葉は、具体的に何を指しているんだろう?」と考えてみます。

たとえば
☑️「木漏れ日」なら、
木々の葉の間から差し込んでくる日の光。
Sunlight comes through the leaves of the trees.

☑️「夕立」なら、
夏の午後などに突然降り出し、しばらくするとやむ強い雨。
It suddenly starts raining in the afternoon and stops after a short time.

☑️「懐かしい」なら、
昔のことを思い出したときに感じる気持ち。
たとえば、「この写真を見ると子どもの頃を思い出す」と具体的にして、
This picture reminds me of my childhood.

と表現することができます。



このように、まずその日本語が指しているものや状況、気持ちを具体的に捉えることを目指します。
そして、その中から、「自分が知っている英語なら、どの部分を表現できる?」と考えていく

日本語の一つの言葉を、英語の一つの言葉に置き換えようとするのではなく、その言葉が何を表しているのかを具体的に考え、自分が持っている英語で表現する。

これも、英作文で身につけてほしい大切な力です。

ここに、とても大切な発想の転換があります。

「英語で何て言う?」から「この英語で何が言える?」へ

多くの子どもたちは英作文をするとき、

日本語で言いたいことを考える

それに合う英語を探す

という順番で考えます。
だから、知らない英語が一つ出てくると、「先生、〇〇って英語で何て言うんですか?」となります。
でも、発想を逆にしてみます。

自分が知っている英語を思い出す

その英語を使って何が言えるか考える

つまり、「言いたい日本語に合う英語を探す」のではなく、「持っている英語から、言えることを組み立てる」
これが、私が英作文で身につけてほしい考え方です。

英作文が難しいときは「5歳児にもわかる日本語」に言い換える

とはいえ、英語を学び始めた子どもが、最初からすべて英語だけで考えるのは難しいでしょう。
日本語で考えてはいけない、ということではありません。

英語にできない日本語が浮かんだら、最初は、「5歳の子にもわかる日本語にするとしたら?」と考えてみます。
「雪合戦」なら、「雪で遊ぶ」にしてみる。

難しい日本語を、簡単で具体的な内容にしていくと、自分がすでに知っている英語に近づいていきます。ただし、これはゴールではありません。
簡単な日本語を作って、それをまた英訳することをずっと続けるのではなく、日本語で文章を完成させてから英語に訳す習慣から、少しずつ離れていくための足場です。

英検3級から2級へ。レベルが上がっても同じ

英検3級では、「雪合戦」のような知らない言葉を、知っている英語で言える内容に変える。

では、英検2級ではどうでしょう。
2級になると、教育、環境、社会、テクノロジーなど、扱うテーマが難しくなります。

今度は、

「社会経験を積む」
「コミュニケーション能力を高める」
「自立につながる」


など、抽象的な考えをどう表現するかで困ることが増えてきます。

たとえば、「高校生がボランティア活動をすることは、社会経験を積む良い機会になる。」と考えたとします。
「社会経験を積むって英語で何て言うんだろう?」と考えるのではなく、
「具体的には、どんな経験?」と考えてみます。

「いろいろな人と一緒に活動する」
「学校ではできない新しい経験をする」なら、

They can work with different people.
They can have new experiences outside school.

と、自分が知っている英語で書くことができます。

☑️ 3級では、知らない言葉を言い換える。
☑️ 2級では、抽象的な考えを具体的にする。


レベルが上がっても、その根っこにあるのは同じです。

「今、自分が持っている英語で何が言える?」と考えることです。
これが「英語を英語で考える」第一歩です。

英作文から始める「英語を英語で考える」練習

「英語は英語で考えましょう」とよく言われます。
でも、「英語で考えるって、具体的にどうすればいいの?」と思う人も多いのではないでしょうか。

私は、その第一歩の一つが、自分が持っている英語から考えることだと思っています。
日本語で完璧な文章を作ってから、それを英訳するのではありません。

winter
snow
play
fun
自分の中にある英語を取り出して、「これで何が言える?」と考える。

そして、
I like winter because I can play in the snow.
と組み立てる。

これを繰り返していくことで、日本語 → 英語ではなく、伝えたいこと → 自分が持っている英語という回路を少しずつ育てていきます。

もちろん、新しい単語や文法を学ぶことも大切です。
それは、冷蔵庫の中の材料を増やしていくこと。
材料が増えれば、作れる料理も増えていきます。

でも、冷蔵庫いっぱいに材料をそろえることが最優先ではないんです。
今ある材料を取り出し、組み合わせ、自分でとりあえず何か料理を作れることの方を優先しましょう。

英語も同じです。
英作文をするとき、すぐに「この日本語、英語で何て言う?」とスーパーへ材料を探しに行くのではなく、まず自分の中の冷蔵庫を開けてみる。

「今ある英語で、何が言える?」
知らない英語があっても、知っている英語で伝えられる。
その発想が、英語を英語で考え、使えるようになるための第一歩だと考えています。

材料が揃わないから作れない、ではなく、あり合わせの物でいいから、とにかく何か料理を作ってみる努力をしましょう。

そうしているうちに、どんどんレパートリーも増えて、上達していきます。

英語も料理も同じですね。

この記事を書いた人

子ども英語の世界に足を踏み入れて
25年が経ちました。
英語講師という仕事は天職だと思うくらい、
毎日かわいい生徒さんに囲まれて
幸せを感じています。

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