英語文法の勉強法で差がつく!小学生に大切なのは”最初の学び方”

なぜ文法は「最初の学び方」が大切なのか
最近、小学生でも英検に挑戦する子どもたちが増えています。
それに伴い、家庭学習や通信教材、くも〇などで、教室よりも先に文法を学んでいる生徒も少なくありません。
もちろん、英語学習に熱心に取り組まれていることは、とても素晴らしいことです。
でも、私は少し心配なんです。
「どんな風に新しい文法事項を教えられているんだろう? 大丈夫なのかな?」と。
文法は、早く知ればいいというものではありません。
大切なのは、適期であるかということと、最初の出会い方です。
私は、その最初の出会い方こそが、その後の英語力の土台になると考えています。
教育心理学には「初頭効果(Primacy Effect)」という考え方があります。
人は最初に得た情報ほど記憶に残りやすく、その後の理解にも大きな影響を与えることが分かっています。
また、認知心理学では、新しい知識は、すでに持っている知識(既有知識・スキーマ)の上に積み重ねられることが知られています。
つまり、最初に
「この形だから、この答え。」
「日本語ではこう訳す。」
という機械的な理解だけで学んでしまうと、そのイメージが土台になります。
もちろん、それで問題は解けるようになるかもしれません。
しかし、その後で
「英語ではこう考えるから、この表現になる。」
という英語本来の感覚を学ぼうとすると、一度できたイメージを書き換える必要があり、より多くの時間と労力が必要になることがあります。
文法は「音」と一緒に学ぶことが重要

私がもう一つ心配しているのは、「音」です。
英語は文字で覚える教科ではありません。
英語は音声言語です。
文法には、その文法らしいリズムやイントネーションがあり、単語と単語は音でつながって英語独特のリズムを作ります。
だから私は、新しい文法を導入する時には、必ず音声もセットで指導していて、それが定着するように何度も音読をさせています。
第二言語習得研究では、言語は文字情報だけではなく、音声と意味が結び付いた形で習得されることが重要だと考えられています。
また、幼い頃に形成された音のイメージ(音韻表象)は、その後のリスニング、スピーキング、語彙の定着にも大きく影響することが分かっています。
だから私は、家庭で独自に先取り学習される際に、
その文法が、正しいリズムやイントネーションで導入されているのだろうか。
ということが気になっています。
もし最初に不自然なイントネーションで覚えてしまえば、それが習慣となり、後から修正するのは簡単ではありません。
言語は、意味だけでも、文字だけでも身につきません。
音と意味が結び付いて初めて、本当の言語になります。
イースマイルでは文法をどう教えているのか

イースマイルでは、「学習をデザイン」しています。
イースマイルでは、文法は高学年から始まるものではありません。
実は、その準備は園児クラスから始まっています。
歌を歌い、
絵本を読み、
アクティビティをし、
英語でやり取りをする。
その中で、子どもたちは知らないうちにたくさんの英文に出会っています。
例えば、4年生で現在進行形を学ぶ頃には、
“I’m walking.”
“I’m running.”
“I’m jumping.”
という表現を、何年も前から歌の中で何度も口にしています。
未来形も、過去形も、現在完了形も、助動詞も、受動態も、比較級も、関係代名詞も同じです。
つまり、子どもたちは文法を学ぶ前から、その表現を聞き、口にし、自然なイントネーションで使う経験を積み重ねています。
だから、いざ高学年で本格的に文法を指導するとなった時、私は新しい知識を教えている感覚ではありません。
文法学習とは、これまで何となく使ってきた英語の仕組みを解き明かす「謎解き」の時間だと考えています。
「あっ、だからこの歌はこの形だったんだ。」
「だから、この言い方になるんだ。」
そんな発見があるから、腑に落ちる。
そうなるからこそ、文法は暗記ではなく理解になります。
これは、長期一貫カリキュラムだからできることです。
長期一貫カリキュラムだからできる学習デザイン
イースマイルでは、園児から中学生までを一つの流れとして考えています。
今教えていることだけを見ているのではありません。
一年後。三年後。五年後。
その子にいつまでにどんな英語力を身につけていてほしいか。
そこから逆算して、一つひとつの学びを組み立てています。
どんな歌を歌うか。
どんな絵本を読むか。
どんな音声で覚えさせるか。
いつ文法として整理するか。
そして、どんな活動をすれば、その表現が自然に口から出るようになるか。
そのすべてを、一つの流れとして設計しています。

私は、このように学習をデザインすることこそ、教師の最も大切な仕事の一つだと思っています。
イースマイルは塾並みに、いえ、それ以上に文法もしっかりと教えています。
でも、指導の仕方が全然違うのです。
大手塾が中学生のクラスで採用している問題集をイースマイルでも使っています。
でも、「この形だから、この答え。」という機械的な教え方はしていません。
子どもたちには、
「英語って、こう考えるんだ。」
「だから、この表現になるんだ。」
という英語らしい感覚まで身につけられるような指導をしています。
そして必ず、自分でその表現が使えるようになるためのアクティビティをしています。

早期英検・先取り学習について思うこと
教育心理学や第二言語習得研究の知見も取り入れながら、長期一貫カリキュラムの中で、一人ひとりの学びを計画的に設計していく。
それこそが、イースマイルが何より大切にしている英語教育です。
だから私は、早期英検受験を目的とした先取り学習には慎重でありたいと考えています。
もちろん、先に学ぶこと自体を否定しているわけではありません。
イースマイルのカリキュラムは、一つひとつの学びが次の学びへとつながるよう、園児期から中学生までを見据えて用意周到にデザインしています。
だからこそ、その流れの途中で別の学び方が入ってしまうと、本来「なるほど!」と腑に落ちるはずの学びが、ただの知識の確認になってしまうことがあります。
それは、何年もかけて積み重ねてきた学びの効果を十分に生かせない、とてももったいないことだと感じています。
英語は、「早く教え込む」ことが目的ではありません。
どのような順番で出会い、どのような体験を積み重ねながら身につけていくか。
その学習デザインこそが、数年後の「使える英語」を育てると、私は信じています。
参考文献
・Primacy Effect(初頭効果)
Murdock, B. B. (1962). The serial position effect of free recall.
・Schema Theory(スキーマ理論)
Anderson, R. C. (1984). Role of the Reader’s Schema in Comprehension.
・第二言語習得
Krashen, S. D. The Input Hypothesis.
Swain, M. (1985). The Output Hypothesis.
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